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「はい、おろしてきたよ」
「ほ、本当だな?」
何でうちの組の人達に喧嘩腰になれて犬に怯むんだ。ほんとに謎だな。
「後そのブレザーという名前の殺人兵器を脱ぎなさい。見てて暑いし」
「えぇ~」
「はよ脱げ」
しぶしぶ脱いだな……あ、手榴弾入ってる。
「念の為、思いっきりジャンプしなさい」
「よくわかったな」
ガッチャガッチャ
ほら出てきた出てきた物騒なもんがいっぱい。やはりシャツとズボンにも入れていやがった。
「君ねぇ……」
「だって今日殺すつもりだったし……」
「俺は全く悪くないみたいな顔すんな」
ったくもう……あ、シャーペン画鋲刺さりっぱなしだ。弁償しろよアホ。
「そういえばこんな画鋲で僕を殺すつもりだったの?」
「睡眠薬が塗り込んである。寝たらもう一発目のコレ、二本目の画鋲を刺す。こっちは致死性の毒が塗ってある。で、この睡眠薬の錠剤とコップをお前の机の中に入れる。あら不思議。九十院千里さんはいきなり自殺してしまいました」
「なんて恐ろしいシナリオだ」
「でももうコレいらね」
「危な!!毒物を簡単に投げるな!!」
「早く古典やろうぜ」
「この野郎……」
「……は、レ点があるから読み飛ばす。わかった?」
「わからん」
「流石だ。もうかれこれ2時間は経ってるはずなのにレ点も理解できないのか」
「何で漢字だらけなのにいきなりカタカナという異文化が登場する?」
「うん。そんな事考える前にまず返り点覚えようねアホ」
「帰り店?」
「漢字すら違うからね?君に殺されるのは先が長そうだよ。てかずっとそのままでいろ」
「面倒くさい契約しちゃったなぁ、てか何で古典なんて教科があんだよ」
「君のような馬鹿を一生苦しめる為さ」
コンコン
「はぁい」
「千里。ご飯できたよ。
よかったら不知火君もどう?」
「い、いや!俺は……」
ぐきゅるるる~
「……すいません。いただきます」
「ふふ。じゃあ下降りてきてね」
「……何ニヤニヤしてんだよ」
「主の性格がひん曲がってるぶんお腹は素直だね」
「……早く行こう」
やっぱなんだかんだ可愛いわ、こいつ。
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