非日常への入り口

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活発に流れるログ。ザッと目を通す。 一名が場の空気を支配しているようだった。 ハンドルネーム、"E:ZM”。 とりあえず挨拶する。 oto:こんばんわ。 E:ZM:こんばんわ~! すぐにレスが返ってきた。 oto:活気がありますね。 E:ZM:今究極の納豆とは何かって話題で盛り上がってるんですよ~。 oto:究極の納豆…ですか。 E:ZM:私が思うに、最終的には自分で創り出すしかないのかなぁ…と。 arisu007:市販品じゃ究極とは言えないってE:ZMさんがw Toh_Nats:さすがですよE:ZMさん… E:ZM:いや、市販品で満足できる人はそれでいいんですよ。私の場合、さらに上を目指してみたいというか…、この料理と合わせるならこういう味・こういう食感の納豆がいいとかあるじゃないですか。 oto:こだわりですね。最近ではどんな料理作られたんですか? いい感じで納豆レシピの話題になり、E:ZMさんはたくさんのレシピを教えてくれた。 この人の説明はとてもわかりやすくて、納豆嫌いの私にでさえ”おいしそう”と感じさせてくれるものだった。 どれくらいの時間が経過しただろう。気付けば私とE:ZMさんを残してルーム内には誰もいなくなっていた。 そろそろ私も退出しようか。 oto:今日はありがとうございました! 今度いろいろ試してみます! そろそろ落ちますね。 E:ZM:は~い。 …で、otoさん。 oto:はい? E:ZM:少 し は 、 納 豆 を 好 き に な っ て く れ た か な ? 一瞬。時が止まった。 ここは納豆好きが集うルーム。 私は周りに溶け込むべく、納豆嫌いとは発言していない。 どういう意味なのか。 私は、その文章が放つ威圧感のようなモノに圧倒されていた。 oto:え、ここ納豆好きのルームじゃないですか。もちろん私も納豆好きですよ~。
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