非日常への入り口

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翌日の放課後、新聞部の部室。 来ている部員は私を含めて五名。 もちろん綾瀬悠実も来ている。 あとのメンバーは… 宮野こずえ。私の親友。 新見志穂。部長。 上田悟。…パソコンオタク。 以上が新聞部の誇るレギュラーメンバー。…誇れないが。 それから、レギュラーメンバーとまではいかないが水谷凛。 もっとも彼女は新聞部員ではなく帰宅部員。 暇つぶしなんだとか。 「初めまして、昨日入部した綾瀬悠実です。よろしくお願いします!」 「よろしくー!」 みんなそう返したが、上田の声だけやたら大きい。 …喜んでいるようだ。 女子率が高いという理由でパソコン部ではなく新聞部を選んだらしい彼。 新入りが女子でテンションが上がっているのだろう。 綾瀬さんは自己紹介を続けた。 「趣味は料理です。休日はお菓子作ったりします。あと、インターネットとかも好きで、料理関係のチャットに出没したりしてます!」 「おおー、オレもネットは好きだよ、気が合うねー」 ネットと聞いて上田がすかさず食いついた。 「気が合うっていうか、最近ネットくらい珍しくもないでしょうよ、まったく…」 部長が突っ込む。 「ねぇねぇ、どうして新聞部に入ろうと思ったの?」 こずえが尋ねた。 「高峰さんの記事読んだんです! 私も料理好きだし、あんな記事書いてみたいなぁーって。」 「おおー、オレが貸したデジカメで撮った画像載っけたヤツだね」 またしても上田が食いつく。 「はいはい、アンタのデジカメがすごいのはわかったから…。」 こずえがため息をついた。
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