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その一言に瑠華は鋭い目で彼を睨みつける。
「あんたに…私の何がわかるの?」
その瞳は冷たくて、悲しい目。でも強い眼差しを矢野に向ける。
「知らねえよ。
お前のことなんか、一つもわかんねえよ。
でも、お前だって…何も知らないくせに人生悟ったようなこと言ってんじゃねえよ」
彼は瑠華に切なくも強い視線を向けた。
同じ目では返せない。それは彼が教師だからなのか、それとも……。
「…何それ。 教師らしくないのに駄目な生徒更生でもさせようとしてるの?
そんなの無理よ…」
見透かしたように笑う瑠華。彼女は更に強い口調で続けた。
「だから教師って嫌い。
偉そうだし、つまんないことばっか言うし……最悪」
瑠華はあからさまな溜め息を一つ 零す。
と同時に、彼も自然と溜め息を吐き出す。
「最悪かどうか……試してみるか?」
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