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どこか偉そうで、本気か冗談か分からない彼の言葉だったが、勿論そんな台詞を言われたこともない瑠華を惑わすには十分だった。
「はっ? 何意味わかんないこといってんの?
私、教師にそんなこと求めてないっ…」
と、思い切り拒否したところで、彼は態度を変えようとはせず……。
「教師? そんなことはどうでもいいんだよ。
俺はお前が信用できないって言う…"人"としてお前に関わるだけ」
人の話を聞こうとしない彼に、瑠華は身体の力を抜き項垂れる。
「いや…迷惑だし」
言葉の中に彼女の思いの全てが含まれているかのように、その一言は重さを持っていた。
しかし、男は瑠華のその反応を楽しんでいるみたいで……、
「知るか。
じゃ、決まりな。俺が負けたら土下座でも何でもしてやるよ」
と、聞く耳を持たず次々と話を進めようとする。
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