246人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
引きつった表情で言う彼に、瑠華は堂々と頷いて見せる。
「マジかよ…。
……3年3組、美崎瑠華」
呆れた声で名前を呼ばれ、瑠華は一瞬動きを止めた。
「何で…私の名前…」
ここにいるからには学校関係者だということはわかる。
でも、瑠華にはこの目の前にいるまるでホストのような身なりの男に見覚えがない。
「お前…2年間ちゃんと学校来てた?」
「まあ…進級できる程度に?」
ちゃんと来ていたとは到底言えない瑠華は言葉を濁し、顔を逸らす。
そして、彼の口から決定的な一言を聞くことになる。
「俺は…今年度、3年3組の担任。
つまり…お前の担任の先生」
どこか気怠そうに言う彼の言葉を少し時間をかけて理解した瑠華は、更にその表情を引きつらせた。
「…まじ…で?」
そんな瑠華に彼は冷ややかな視線をやる。
こうなるとお互い気まずい。
屋外とは言え、こんな閉ざされた空間に二人ならそれは尚更で。
「マジだよ…。
お前…始業式ここでサボってたから知らねえんだよ。
まあ、それどころか…俺の存在自体を知らないみたいだけどな…」
最初のコメントを投稿しよう!