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「…怖かった、な。」
怖かった。ただ、怖かった。誰もいないって、こんなに怖いのかって思った。
でも、
「なにが?」
しゃがみこんで、震えてた俺に、貴方は手を差し出してくれて。
「んふふ、昔の話です。」
大丈夫?とか、どうした?とかじゃなくて、ミヤ、って。ちゃんと、名前を呼んでくれて。
「ふぅん。…、ナキムシ、?」
「ふは、…アンタもだよ。」
泣いてる俺を見てナキムシ、なんて言ってきた貴方も、何故か泣いていて。その涙を見て、何故か俺は笑ってた。
笑えてた。
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