どこにでもある唄。

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懐かしい、なんて言わないで。今があるんだから。 ここにある今を握り締めて、また、進めばいい。懐かしむなんて、しなくていいんです。 「よくわからん。」 「んふふ、アンタなら分かるよ。」 ソファから立ち上がって、窓を開けると、じんわりと生暖かい空気が入り込む。 その空気を、吸って。また、吐いて。あぁ、生きてる。 「…ね、小野さん。」 「んー?」 「ずっと、ここに、居ますよね?俺ら。」 ずっと、ずっと、ずっと。 目をぱちくりさせて、俺を見る小野さん。分かんない?と言うように、首を傾げて小野さんを見れば、ゆっくりと表情を変えて。 優しい、笑顔。 _
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