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紅蓮の炎が闇を照らす……
「信長様……」
その紅蓮の炎は闇を飛び交い、ごうごうと燃え盛る
燃えているのは大きな寺院……本能寺
「貴方では、この日の本を統べる事は出来ない……」
燃え盛る本能寺の前に数千人の人影、そして先頭の一人の人影が肩を震わせていた
その者の目には、決意の炎が揺らいでいた
「だから!私が天下を、天下布武を成し遂げる!」
その者は顔を上げ、右腕を空高く突き上げて……
「行くぞ!敵は本能寺にあり!」
振り下ろした
「やっぱり私はうつけだなぁ……」
燃え盛る本能寺の中に、一人の人影が正座する
その右手には短刀が力強く握られていた
「皆の事も考えず、我儘ばっかり……」
人影は短刀を両手で持つと……
「是非も無し……」
自らの腹部に突き立て、紅蓮の炎に消えた
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