思いたいのに。

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「変態兄妹」 その声がする頃には、キョウはキスをやめて、あたしをただ見下ろしていた。 「お帰り」 「お帰りじゃねーよ。何してんだ?」 タカ兄が帰ってきたんだ。 寝そべるあたしにはよく見えないけど声でわかった。 「なんもしてないけど」 「この状況で?」 「ふざけてただけだよ。ねえ、あーちゃん?」 「うん」 そっか。ふざけてたのか。それがわかると少し楽になる。 キョウの身体が離れて、ようやくあたしも上半身をあげた。 「さかんなよなー」 そう言うタカ兄は笑いながら、キッチンへと向かった。 それと反対にキョウはリビングを出て行った。
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