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ヤマ兄がルリカと付き合ってから初めて、家に帰って来なかった。
どんな夜を2人で過ごしたんだろう。
あたしは、毎日、壁一枚を隔てて眠る。
越えられない壁は、あたしとヤマ兄が生きてる間ずっとあるものなんだってわかってる。
うん、わかってるんだ。
なんか、切られた。
血でも見えたら、どこが痛むかわかるというのに。
切られたってことが頭に浮かんだだけで。
痛くて痛くて仕方ないのに。
どこが痛いかよくわからなくて。
ただ、あたしひとりじゃ治せないんだと思う。
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