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「貴規君。どこ行くんですか」
「どこやろなあ」
そういって公園を出て行く。
少し歩くと彼女が事故にあったところがある、自然とそこに足が向かっている。
「こっちって、流輝さんが……」
「やな。ここで、あの事故がなかったら今頃二人は幸せやったはずなんに」
そうっすねとつぶやく三神に振り返る。
三神らしくない沈んだ表情で流輝の倒れた場所を見つめている。
「流輝さん、なんでこんなところで事故にあったんでしょうね」
「さあな」
と答えると同時に、三神の後ろに大型トラックがすごいスピードでフラフラしながらこちらに向かってくるのが見えた。
「祐真! 危ない!」
ドン!
キキイイイイ!
ガシャーン!
「た。たかき君! 」
ゆっくり俺の身体は憎らしいくらいの青空に飛ばされていって、そして地面に落ちる。
流輝もこんな感じだったのだろうか。
最後に思い出したのはやっぱり世話のかかる幼馴染の顔で。
思い出した幼馴染の顔はあの頃のまま、俺の大好きな笑顔で笑っていた。
意識がなくなっていく中で、最後に思い出せたのがアイツでよかったと思う。
俺はそれを最後に目の前が真っ暗になって意識は途絶えた。
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