1.俺のお願い

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「貴規君。どこ行くんですか」 「どこやろなあ」 そういって公園を出て行く。 少し歩くと彼女が事故にあったところがある、自然とそこに足が向かっている。 「こっちって、流輝さんが……」 「やな。ここで、あの事故がなかったら今頃二人は幸せやったはずなんに」 そうっすねとつぶやく三神に振り返る。 三神らしくない沈んだ表情で流輝の倒れた場所を見つめている。 「流輝さん、なんでこんなところで事故にあったんでしょうね」 「さあな」 と答えると同時に、三神の後ろに大型トラックがすごいスピードでフラフラしながらこちらに向かってくるのが見えた。 「祐真! 危ない!」  ドン!  キキイイイイ!  ガシャーン!  「た。たかき君! 」 ゆっくり俺の身体は憎らしいくらいの青空に飛ばされていって、そして地面に落ちる。 流輝もこんな感じだったのだろうか。 最後に思い出したのはやっぱり世話のかかる幼馴染の顔で。 思い出した幼馴染の顔はあの頃のまま、俺の大好きな笑顔で笑っていた。 意識がなくなっていく中で、最後に思い出せたのがアイツでよかったと思う。 俺はそれを最後に目の前が真っ暗になって意識は途絶えた。    
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