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あれ、ここどこや。
確か俺大型トラックに引かれて死んだよな。
え、まさかここが天国? なんや真っ暗な所やな。
「き! たか、貴規!」
え、流輝の声がする。おかしい何かがおかしい。
流輝はまだ死んでないはず。そう言えば目を開けれるんだろうか。
そして俺はくだらない葛藤の後ゆっくり目を開いた。
「る、流輝?」
「なによ! 貴規! 心配したんだから!」
よかった~! そう言って俺にあの頃と同じ笑顔を向けて抱き着いてくる流輝。
なんで? 俺は死んだんじゃないのか。何故流輝がここにいる? そう言えばここはどこだ?
見覚えがある茶色の壁。使いこんだバッシュ。すべりどめが剥げるまで使ったバスケットボール。それに大きなゴール。
ここは、間違いない。学校の体育館だ。
「なんで、体育館? 俺、大型トラックに突っ込まれたハズ」
「え、大丈夫? 貴規、新君が投げたボール直撃して倒れたんだよ?」
へ? とマヌケな声を出して流輝の顔をがん見する。
「嘘つかんでええよ。俺さっきトラックに突っ込まれて死んだんやで?」
「何いってんの。さっき新君のボール当たって倒れたんだよ?」
どうしよう! 貴規がおかしくなったと騒いでいる流輝。
そう言えば流輝がどこと無く幼い気がする。
「流輝、今日は何日や?」
「え? 今日は4月6日やけど?」
4月6日? 今日は8月24日やないんか。
「流輝、今年何年や?」
「もう、さっきからなんなのよ。今年は2007年だよ?」
2007年? おかしい、今年は2011年だったはず。
「俺、過去に戻った?」
だんだんと青ざめていく流輝をよそ目に夢じゃないかと頬やところどころうをつねっていく。
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