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朝、けたたましく目覚ましが俺の部屋に鳴り響く。
俺は、目覚ましが鳴ると同時に勢いよく起き上がりデジタル時計を乱暴に奪い取って日付を確認する。
「4月7日7時30分。……よかった夢やなかった」
ひとまず一安心してベットに倒れこむ。そう、俺は昨日から過去に戻ってきている。
昨日俺は事故にあってきっと死んだはずだった。でも、気がつけば三年前に戻っていて幼くなった皆の姿に頭が混乱したものだ。
それも今日から現実味が湧き始めた。日付は過去に戻ったままだった。
俺は、ベットから飛び起きて一階に降りていく。
「母さん。おはよう」
「あら、貴ちゃんおはようー」
いつもどおり、ほのぼのした雰囲気をかもし出している母さんあの人は三年立ってもあのままだ。
「貴規、今日は早いやないか」
テーブルに腰掛けると三年前の父さんが新聞を読みながらコーヒーを啜っていた。
「おん。今日は流輝と一緒に行かなあかんねん」
「いつまでたってもお前らは仲ええな」
まあな、と答えると母さんが朝食の食パンを出してきた。
「なんや、お前ら付き合わんのか」
思いっきり食べていた食パンを吐き出した。
「汚いなあ、何動揺しとんねん」
「るさいわ! 父さんが変なこと言うからやろう!」
まだまだ青いなと笑い飛ばす父に俺は本気で殴り飛ばしたくなった。
「別にすきちゃうしな!」
「もう、貴ちゃん汚いでしょうー」
そういって怒っているのかいないのかよく分からない表情で俺が溢した食パンを台ふきで拭いてくれる母さん。
「おん、すまん」
「いいわよー。貴ちゃん、大輝起こしてきてくれないー?」
おお、分かった。と返事をして残った食パンを口に放り込んで弟が寝ているであろう部屋に向かっていく。
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