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「貴規。遅い! どれだけ待ったと思ってるの?」
「すまん! 流輝、堪忍してくれ!」
そういって平謝りをする俺。
そんな事でさえ、俺には嬉しくて仕方がない。
また、彼女の笑顔が見れる。ただそれだけで俺の気持ちは有頂天にまで上がっていく。
どうせならこの笑顔を俺がずっと守ってやりたいけれど、それは出来ない。
俺にはやらなければいけないことがある。
俺が大好きなこの笑顔を未来でも失われないようにしなければいけない。
もう、俺はあんな最悪な未来を二度とは見たくないから。
だから、俺は自分の恋心に蓋をした。
流輝を幸せに出来るのは俺じゃない。新だ。もう二度とあんな過ちは犯さない。
もう二度と君を泣かせないことを俺は誓ったんだ。
「もう、早く行こう? 新君待たせてるよ」
「おん。すまんな。ほなら行こか」
そういって俺の親友が待っているであろう学校に向かって歩き出した。
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