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「遅れてすまんな」
ドアを開けた先にいたのは昔の懐かしい面々ばかりで、また俺は懐かしさに浸ってしまう。
「また、貴規君がぐずぐずしとったんでしょ」
この頃から相変わらず厳つい不良の三神は分かってるといわんばかりに俺のほうを睨んでくる。
「うるさいわ。三神!」
「事実でしょ」
ずばり真実を当てられて俺は何も言えなくなる。
「ほら、祐真も貴規いじめないで! 早くご飯食べよう」
そういって俺の背中を押して自分の隣に座らせる流輝。
もちろん流輝の隣には新が座っていいて、俺の隣には三神が座っていた。
座らされたところで俺は弁当を開く、三神はコンビニのパンとコーヒー牛乳、新は弁当、流輝はこれまた小さい弁当。
「お、三神コーヒー牛乳やんけ! 頂き!」
そういって三神のコーヒー牛乳を奪おうと手を伸ばすもそれより素早い動きでコーヒー牛乳を三神は自分の口に運んだ。
「誰がアンタにあげるらいいました?」
そういって睨みつけてくる三神に俺は小さく謝ることしか出来なかった。
それを見ていた新と流輝は俺のほうを見て大笑いしていた。
それを見ると自然と俺も笑顔になっていくのが分かって、こんなことがずっと続けばいいと俺はひそかに心のうちに感じていた。
そうやってこの日はすぎていった。
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