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『……おはよ、リズ』
リズは雅人が起きたことを確認すると、のそのそと部屋を出て行った。
『ん~……。また、あの夢か』
なんとも不思議な夢。
白い世界と宙に浮いた少女。
そして、夢の中なのに自由に歩き回り、話せる自分。
ありえないことだった。
夢の内容は、いつも同じ。
そして、いつも少女の悲しい顔が頭を離れず、少女の言ったことが思い出せない。
『なんで覚えてないんだろ…』
雅人はもどかしい気持ちだった。
「まさと~?7時だよ~?」
『あ…。今いくよ』
祖母の声で我にかえる。
雅人はベッドからおり、着替え始める。
「時間は大丈夫かい?今日は少し遅かったから」
『大丈夫だよ』
「そうかい?ならいいんだよ」
にこにこ笑う祖母。
雅人も自然と笑顔になっていた。
『じゃあ、行ってきます』
「いってらっしゃい」
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