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「今夜、お前に危険が迫る。気をつけるんだ」
『え…?』
雅人には、朔夜の言っていることの意味がわからなかった。
朔夜はそれだけ言い残すと、暗闇の中に消えて行った。
家に帰っても、朔夜の言葉が消えなかった。
(気をつけるって、危険ってなんだよ…)
雅人は制服を脱ぎ捨てると、ベッドへ寝転がった。
そして、目を閉じた。
また、夢の世界…。
何もない、真っ白な世界。
いつもと同じ…。
だが、少女の姿はなかった。
その代わりに、異様なモノがそこにいた。
『!?』
人間のような形だが、人間ではない。
全身は黒く、目は赤い。
歯はむき出しで、長い牙と細かく尖った歯。
腕や足は異常に長く、背中には黒くて大きな羽。
『な、なんだこいつ!?』
「それは、夢魔っていうんだよ?」
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