平凡の今まで

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見れば見るほどデカい。 10メートル…いや、それ以上かな。 …こんなに大きいの、必要ある? 首がつりそうだ。 見上げなきゃいいんだろうけど。 門の奥を見てみても、校舎らしきものは見えない。 ひたすら道と木と青々と茂った芝生が続く。 そんな道の奥から一台の車がこっちへ向かってきた。 黒くて長い、高級そうな車。 …まさか、あれに兄貴が? 再び、携帯が震える。 「もしもし」 『そっち行ってんの見えるか?』 やっぱり、乗ってるんだ。 「あー…まあ、見えるよ」 『そうか』 黒くて長い……高級そうな…。 「……ねえ」 『あ?』 そう、その車は 「なんで、リムジン?」 リムジンだった。 『…………イヤか?』 「…別に……」 『ならいいじゃねぇか』 「そうだね…」 いや、正直乗りたくないです。 『とりあえず待ってろ、すぐ着くから』 「…うん」 兄貴が言ったとおり、すぐに着いた。 俺は兄貴に開けてもらった門をくぐり、学校内へと入って行った。
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