平凡と親衛隊

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──…はい、お昼です。 只今食堂に来ております。 「カズハはなに食べるんだ?」 「…サンドイッチ……」 ……三村と2人で。 三村はかなりご機嫌な様子。 俺と飯を食えるのがそんなに嬉しいか。 俺みたいな平凡より生徒会と食べた方が人数も多いし美形だしいいんじゃないのか。 いろんな謎を抱えながらも問うてみることもできずに大人しく三村についてきた。 「カズハはサンドイッチか!もっと食わないと筋肉つかないぞ!」 「あはは…」 …食べてもつかないんだよ! それに食べるだけじゃ筋肉はつかないよ! だいたいお前だって大して俺と体型変わらないくせに…。 「俺の分けてやるから食えよな!」 「えっ…いや、いい……よ」 いつ頼んだのかはわからないが、次々と俺たちの席に持ってこられる料理。 最後に俺が頼んだサンドイッチが持ってこられた。 「ごゆっくりどうぞ…」 「おう!ありがとな!」 ウエーターの人が軽くお辞儀をして帰って行く。 それに対して三村は元気よく返事をした。 ……まさか、全部食べるの…? テーブルの端から端までぎっしり詰めて置かれた料理を見ていたら、なんだか気持ち悪くなってきた。 「いただきます!」 「い…いただきます……」 ガツガツと食べ出した三村を見ながら俺はゆっくり昼食をとった。
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