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ガツンと頭に1発喰らい、脳が大きく揺れた。
「っ…は、あはは」
殴られてることがなんだか可笑しくて、自然と笑い声が口から溢れる。
なんだろう、この感じ。
痛いのに、酷く可笑しい。
「く…ふふっ、ははは!」
「…んだこいつ…なんで殴られて笑ってんだ…?」
「っ…気色悪いんだよ!」
腹に1発。
一瞬息が止まって咳き込む。
BとCが俺を放した。
痛い。
でも、
「…あはっ」
凄く可笑しいんだ。
「ねぇ、なんで殴るの?痛いじゃん」
不良たちをじっと見つめる。
だけど彼らはたじろぐばかりで答える気配はない。
「なんで返事してくれないの?ねぇ、なんで?」
自分が自分じゃないみたいだ。
今の俺は、まるで好奇心旺盛な子供のよう。
なんでも知りたがって人に聞くんだ。
「ねぇったら。答えてよ」
待ってみても彼らは答えない。
「変な人たち~。兄ちゃんはちゃんと答えてくれたよ?」
ゆっくりと不良たちに歩み寄る。
近づいた分だけ彼らは後ろに下がる。
だけど直ぐに壁に背中がついた。
「…兄ちゃんがなんて言ったか知りたい?教えてあげよっか?」
嬉しいことがあった子供のように、にこにこと笑みを浮かべる。
耳の近くに口をやって、こそこそと彼らに教えてあげた。
「───…お前が邪魔だって」
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