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……はっ、じっと見すぎてたら顔逸らされた…!
な、なにか話題をっ。
「あ…えっと、だ、大丈夫でしたか?…殴られたところ…」
「う、うん…僕は大丈夫。それより、君こそどうなの?」
「俺…?」
なんかあったっけ…?
…特に思い当たる節はない。
「俺、なんかありましたっけ?」
「えっ…」
首を傾げればびっくりされて、隊長さんは同じように驚いたソウジと顔を見合わせた。
「覚えてないの…?君、殴られたんだよ?」
…殴られ、た?
いつ?
どこで?
なんで?
どうして?
俺は殴られるようなことをした?
ズキズキと首の後ろが痛む。
『やめてよ兄ちゃん』
ああ、まただ。
上手く呼吸が出来ない。
「…っ……ぁ…」
「…!カズハ!?」
「い、やだ……」
慌ててソウジが俺の肩を掴む。
怖い。
俺に触れるその手が怖い。
嫌だ。
いやだ。
イヤだ。
「触んないで!!」
「っ……」
見えたのは、振り払った手と、
「…カズ、ハ…?」
傷ついたソウジの顔。
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