1.淡桃色

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何が何だかよく把握できないけど、私が嬉しくない事なのは分かる。 藍斗絡みで私が得をする話なんてほぼ無いに等しいからだ。 「何?ってかこの張り紙なに?」 「二年の新クラスだろ」 「ふーん、で?」 「俺と希紅、また同じクラスだって事」 「…は!?え!?」 一瞬、耳を疑った。 何も今日が高校二年生最初の日だからでも、今日から新しいクラスになるからでもない。 問題は藍斗が私と同じクラスになったって事だ。だって藍斗は私と違って…、 「文系じゃなかったの!?」 そう、確かに藍斗は去年の冬、進路調査の薄っぺらい紙に印刷された文系という二文字に丸を付けていたハズなんだ。 藍斗のお守り的なポジションから抜けられる、他の女子から白い目で見られることも無くなる。 確か私はそう言って一人で浮かれていた気がする。 なのになんで、藍斗が私と同じ理系クラスなの!? 一人混乱しかけている私に投げられるのは、ドッキリ成功とでもいうような、嬉しそうに歪んだ藍斗の笑顔。 もしかして、私騙されてた? _
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