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「言っただろ希紅。俺ギリギリで理系に変えたって話」
「はあ!?聞いてないから!」
「じゃあ今言った」
「…最悪」
本当に本当に最低だ。
でも藍斗は何で私がそんなにも気落ちするのか理解できないようで、不思議そうに目を丸くして私の顔を覗き込んできた。
どうせコイツは私が喜ぶとでも思ってたんだろう。
これだから男ってやつは嫌なんだ。
私たちの気持ちを汲み取るどころか、有り得ない勘違いをして蔑ろにするんだから。
「何でんな嫌がんの?」
「嫌に決まってるでしょ。だって藍斗は芸能人で、私はただの一般人でさ」
「そんなん関係ないだろ」
「何言ってんの大ありだから。周りからは陰口言われ三昧だし、それに藍斗は手に負えないくらい扱いづらいし、私の身になってもみてよ」
一息にそう思いを吐き出す私の目には、いつもとは違って驚いたように目を見開く藍斗がいた。
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