1.淡桃色

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「希紅けっこー男っぽい性格だし、名案だろ」 「…こが、」 「ん?」 もう我慢の限界だった。 男子に性転換手術しろなんて本気で言われて、堪忍袋が耐えてくれる程私は出来ちゃいない。 気がついたら、場所なんてお構いなしに藍斗に啖呵を切っている自分がいた。 「どこが男だくそ馬鹿ヤロー!私の気持ち考えろっつのこのデリカシー無し男!!」 ぐわんという効果音がつくように、廊下全体に響き渡る私の声。 自分でもこんなに大きな声が出るとは予想外だった…けど。 けど、たぶん今の声は職員室まで聞こえただろうなぁ。 …やばいとしか言いようがないよ。 そんな私の不安は見事的中したらしく、職員室の中から大声を聞きつけた先生の足音が聞こえてきた。 本格的にこれは大変だと察知した私の脳は、その場を早く去ろうと体じゅうに送ってくる。 _
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