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風が吹いた。
私の頬に吹き付ける、
彼の頬を掠める、
あの人の頬を撫でる。
そんな生暖かい、風が吹いた。
花は揺れる。
彼の一粒の涙を吸って、
あの人の声を聞いて、
私の想いを受け止めきれずに。
そうやって、花は揺れる。
君を手放せなくて。
あの人が私に笑いかけるから、
私が迷子になりやすいから、
彼が消えそうな表情だから、
だから困るんだよ、
君を手放せなくて。
-薄弱と蕩ける-
。
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