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…よし。もう、しょうがない。
最終手段…部屋に上がり込むって荒技に出る…しかないよね。
そう思って、手を伸ばしてドアノブに手をかけたその瞬間、固い鉄の塊でできたドアが私の方に向かってガチャリと開いた。
もちろん私は危うくドアに当たりそうになって、よろけつつなんとか体勢を整えるなんていう不始末。
あ…朝っぱらからなんだ…っ!!
「朝からうるせーよ希紅」
聞き慣れた声が振ってきたので顔を上げたら、そこには丁度ドアから出てきて仁王立ちをする藍斗の姿があった。
私の何倍かキレイな顔立ちが、空から降ってくる朝日のおかげでより美しく見える。
まあ、悔しいから口には出さないけれど。
「うっせーって何よ、てか起きてたの!?」
「起きてたに決まってんだろ馬鹿」
「いつもはギリギリまで寝てるクセに」
そう言い返すと、藍斗は不機嫌そうに眉をひそめて私を見た。
やる気なら受けて立つけどね。
勝つ自信はない…けど。
「ギリギリまで起こさねー方が悪い」
「藍斗のクセに生意気」
「お前に言われたかねーよブタ」
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