1.淡桃色

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…よし。もう、しょうがない。 最終手段…部屋に上がり込むって荒技に出る…しかないよね。 そう思って、手を伸ばしてドアノブに手をかけたその瞬間、固い鉄の塊でできたドアが私の方に向かってガチャリと開いた。 もちろん私は危うくドアに当たりそうになって、よろけつつなんとか体勢を整えるなんていう不始末。 あ…朝っぱらからなんだ…っ!! 「朝からうるせーよ希紅」 聞き慣れた声が振ってきたので顔を上げたら、そこには丁度ドアから出てきて仁王立ちをする藍斗の姿があった。 私の何倍かキレイな顔立ちが、空から降ってくる朝日のおかげでより美しく見える。 まあ、悔しいから口には出さないけれど。 「うっせーって何よ、てか起きてたの!?」 「起きてたに決まってんだろ馬鹿」 「いつもはギリギリまで寝てるクセに」 そう言い返すと、藍斗は不機嫌そうに眉をひそめて私を見た。 やる気なら受けて立つけどね。 勝つ自信はない…けど。 「ギリギリまで起こさねー方が悪い」 「藍斗のクセに生意気」 「お前に言われたかねーよブタ」 _
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