1.淡桃色

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「な…っ」 ぶ…ブタ!? 思わず隣をのろのろと歩くこのデリカシー0野郎に、右肩に掛けていた鞄で殴ってやりたい衝動に駆られる。 まだ華の女子高生に言う台詞じゃない。100%間違ってる。 「言い返せんなら言い返してみ?」 挑発的な藍斗の言葉に私の脳の血管が切れそうになった。 けど、到底言い返せるワケもない。 だって、スラリとしたイケメンに言われたんだから。 「…う…」 「無理じゃねーか子豚ちゃん」 「あっ…あんたは一回地に墜ちろ!」 ケラケラと笑いながら私の隣を歩く藍斗。 これが今や日本中にファンを抱える人気若手俳優かと思うと泣けてくる。 そう、実を言うと藍斗は私みたいな一般的とは、天と地ぐらい違う世界に住んでいる人間だ。 つまり芸能界に生きているヤツってこと。 しかも藍斗の場合、今をときめく『アイト』だしなあ。 _
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