12人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
私みたいな別段可愛くもない従兄が、そんな芸能人と一緒に登下校してもいいのかは正直分からない。
もしかしたら色んな誤解を生むことに繋がってしまうかもしれないし、本当は止めた方がいいんだろう。
でも、でも。
藍斗の隣は、落ち着くんだ。
思えば幼稚園に入った頃には既に、私の隣は藍斗になっていた。
家族と同じくらい近しい人…というか、最早家族って言った方が正しいのかもしれない。
だから私は藍斗の隣を歩く事を、未だに止められずにいる。
いつか、もし藍斗に隣に来るなと言われたらキレイさっぱり引き下がろう。
そんな甘い決意を持って、私は今日も藍斗の歩幅を追いかけるんだ。
できれば、「いつか」の時なんて来ませんように、そしてこの脆い「従兄」っていう鎖が切れませんようにと、自分勝手なお願いをしながら。
_
最初のコメントを投稿しよう!