俺と秀吉と日曜日

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朝の眩しい日差しによって目を覚ます 暖かさを感じ、横を見るとそこには 「んぅ……」 気持ちよさそうに眠る秀吉が ごちそうさまです お約束 「……秀吉、起きろ。朝だぞ」 「……もう少し…寝ていたいのじゃ…」 意地でも起きねえ気だな、なら考えがある 「なら飯はいらねえな」 「起きるとするかの」 ほらな 「ん、なら下行くぞ」 そう言って、頭を撫でてやると嬉しそうに笑って歩き出した ちょっと可愛いとか思ったのは内緒だ 下に降りると、カウンターの向こう側に俺の兄である健一がいた 「お、正明も秀吉もおはよう」 爽やかに笑いながら声を掛けてくるこの兄は、街を歩けば逆ナンされるわ授業参観にくればほぼ確実に何人か女子をオトすわとそれはそれは素晴らしい容姿を持っている 「おはようじゃ、健一殿」 「ん、早速で悪いけど朝飯は?」 だがこんな兄にも欠点はある 「あー、何でもいいから頼むわ」 「お願いするのじゃ」 「じゃあステーキで…」 「前言撤回、ハムエッグで」 壊滅的に常識が無いのだ 「健一殿は相変わらずじゃの…」 「変わってほしいんだけどな…」 最近更に酷くなってきてるし… 「所で正明、今日はどこへ行くのじゃ?」 「あれ? 2人ともどこか行くのか?」 「うむ、少し出掛けて来るのじゃ」 「そうだな、何か行きたい所あるか?」 「そうじゃな…映画を見たいのじゃが」 「映画? 何の映画だよ」 秀吉が映画を見たいなんざ珍しいな 「うむ…実は次の演劇で海賊の役をやる事になったのじゃが…今一解らんのじゃ」 「何が」 まあ映画を見ればすぐに治まる疑問だろ… 「何故か皆ワシに女海賊の服を薦めてくる理由が解らんのじゃ…ワシは男じゃと言うておるのに…」 ダメだ、映画位じゃ治まりそうもねえ! 「ま、まあ見に行くか」 「うむ……本当は只一緒に出掛けたかっただけなのじゃが」 「あ? 何か言ったか?」 「何でも無いのじゃ」
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