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すぐ傍にある佐伯先生の瞳に映る私の顔…。
至近距離にいることを証明しているようで、心臓が暴れ出した。
じっと見つめる漆黒の瞳に、ふと過る不安めいた気持ちに、罪悪感が押し寄せる。
…私にキスしたこと、佐伯先生は後悔しているんだろうか…。
「先生は、私の…どうしようもない、我儘なお願いを聞いてくれただけですから、自分を責めないでください…。」
「…ばか。そういうことじゃないよ。
生徒にキスしてって頼まれたからって、簡単にするわけないだろ?」
先生がスッと姿勢を元に戻すと、私はまた見上げるしかなくなった。
「じゃあお前は、どうして俺にそんなこと頼んだの?
まさか教師全員に、キスを教えてくれって言ってるのか?」
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