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佐伯先生の背中を見送ってからも、私はしばらくその場に立ち尽くしたまま放心していた。 おデコを擦り、ちょっとだけ強く押してみる…。 …痛っ…! 夢じゃない。 右手に持つ携帯電話に視線を落とした…。 じゃあ、本当に……佐伯先生の携番もメアドも、ゲットできたんだよね? アドレス帳を開くとそこには、見慣れない佐伯翔太の文字がある。 眩しい…。 先生の番号もアドレスも…。 やったぁ! 嬉しくてニヤける顔が止まらない。 携帯を胸の辺りで両手で握り締め、浮かれた足取りで私も教室へと戻った。
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