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†† 月曜日、私は大通りにあるファーストフード店へと来ていた。 今週の土曜日、岸田先輩と行くと約束していた遊園地のチケットを返すために。 2階の隅の席に座り、うちの生徒がいないかキョロキョロと見渡してみる。 うん…とりあえずいない。 オレンジジュースをひとくち飲み、緊張で力の入っていた肩から力を抜いた。 「ごめん!志歩ちゃん、遅くなって。あいつら撒くのに手間取っちゃって。」 「いえ…。」 あいつらとは、前に先輩と私を冷かしていた人たちのことなんだろうと察しがついて、あえてそこは聞かないでおいた。 「…ごめんね、呼び出されちゃったみたいで。」 岸田先輩には、先週あの4人の先輩たちに危うくボコられ…呼び出されたことをメールで打ち明けていた。
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