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たぶん赤いであろう顔に気付かれたくなくて、誤魔化すように鞄からチケットを時間をかけて探した。
滑らせるように両手でチケットを岸田先輩の前に差し出す。
「すみません…。やっぱり行けません。」
「…だよね、あんなことがあった後だもんね。」
とても残念そうな顔をして、先輩はチケットを受け取った。
「学校では話しかけないようにするから。」
「…はい…。」
私たちは何もしていないのに、どうしてこんな遠慮をしなければいけないんだろう…。
居た堪れないような、ちょっと切ないような、思いをして。
先輩も私も、何も悪いことしてないのに…。
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