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私の話を黙って聞きながら、岸田先輩は何とも言い難い複雑そうな顔をした。
「…本当に、それでいいの?」
めちゃくちゃ心配してる、よね?
先輩、眉間に皺が…。
私は先輩から目を逸らし、小さく頷いた。
「好きなら独占したいとか思わないの?
カレカノなんて互いに口約束するみたいなものだけど、その形があるからこそ自分以外の異性から守れるっていう部分ってない?」
それは、わかる…。
恋人がいるから、と告白を断ることも、相手に諦めさせることもできる。
最初は、恋人だよねと確認し合うだけの関係から、そのうち本当に絆ができるもの。
付き合うという曖昧な、どこがその区切りなのかわからないけれど、突き進めていくとそういうことなんだろうなと思う。
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