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「…この前怪我したときも、こんなに大量に運んだのか?」 半分くらい棚に収めたところで、先生が疑わしいとばかりに、私を見つめた。 「…はい。」 「マメなのか、大雑把なのかわからない奴だな…。」 溜め息混じりに言われると耳が痛い。 先生はそう言いながら、高い所の本を収めてくれた。 呆れたように言ったくせに、優しいんだから。 ついニヤけてしまう。 背、高いな…。腕とか、めちゃめちゃ長いし…。 隣りにいる佐伯先生を、思わずうっとりと見惚れてしまいそうになり、慌てて本棚に視線を戻した。
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