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「だから、その顔…誘ってるってとられるよ。」 さ、誘ってる…。 はい。自覚あります。 たった今、キスしてほしい。 できたらすごいヤツ…。 あの思い出の1回きりじゃ、やっぱり全然足りなくてどんどん欲が出てしまう。 「松谷…。」 佐伯先生が身体を屈めて、グッと顔を近付けてきた。 嘘、キス…? そう思って肩に力を入れて、目をギュッと閉じて先生が来るのを待った。 ……あれ…? 来るはずの衝撃がこない。 代わりにプッという笑い声が聞こえて目を開けると、屈めていた体を起こし先生が意地悪な顔をして笑っていた。 「なに期待してるんだよ。」 「き……」 …たい……期待するに決まってるでしょ!先生の意地悪っ!! 「してほしかった?」 「……。」 結衣、私が間違ってた。 佐伯先生は微Sじゃなくて、普通にSかもしれない。 彼女に言わせるとドSだけど、そこまでとは思わない。
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