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佐伯先生の質問に答えることができないまま、顔だけがどんどん熱を上げていくのを感じた。 「はは…真っ赤だな。あんな顔するくせに、純情だよな。」 あんな顔ってどんな顔なんだろう。 笑っている先生を見ると、ドキドキしたのが恥ずかしいやら、損した気分やら、複雑だった。 「キス、してほしい?」 柔らかくなった声音に、素直に頷いた。 「宿題ができてたら、な。」 「…え…?」 「この前の意味、考えた?」 もちろん、考えたけど…答えはでなかった。 いや…正確には出たけれど打ち消した…。 あまりに自信がなかったから。
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