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肩を掴み、身体を離す佐伯先生に離れたくなくて縋りつきたくなる。
「…どうせなら、ちゃんと目を見て言えよ。」
そういうこと…。
距離が出来て目が合わされると、その真剣な瞳に吸い込まれるように口を開いた。
「もっと…キスしてください…。」
見つめ返すと、本棚に背中を押し付けられ乱暴に唇を塞がれた。
少し強引なその腕と唇に、ドキドキと胸が高鳴る。
静まり返った図書室のこの空間で、私と佐伯先生の乱れた吐息と、淫らな水音が響いた。
古びれた独特の紙の匂いと、先生の煙草と甘く爽やかな香りが私を包み纏う。
今、私たちは…イケナイことをしているということすら忘れて、夢中で貪り合うように互いを求めた。
チュッと音を立て吸われた舌先は、痺れたような感覚を残した。
追い討ちをかけるように、弄び転がしながら、とろけるようなキスが続いた。
しっとりとじっくりと合わされた唇が熱を持ち、僅かに唇を離しては、時々視線を絡ませてまた重ねる。
幾度となく繰り返される行為に、立っていることも儘ならなくなった。
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