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私の身体を支えるように抱き留めて未だキスが続く。 指先が太腿を這い、ピクッと身体が震えた。 せんせっ…手が…。 そう思っても、声が出ない。 触れられた部分が熱を持ち、全身に行きわたる。 滑らせるように動かされる指先に、ピリピリと電流が流れるような感覚が襲う。 優しく手のひらが内腿を撫でると、力が抜けそうになった。 もう…無理…。 クラクラして止まらない。 「センセ…。」 熱くなった顔を佐伯先生に向け、発した声は自分でも驚くような甘えたものだった。 「…だから、そういう顔、するなって。」 困ったように笑う先生が可愛い…。 ぽぉっとしまま、先生の腕にしがみつくと、ふわりと腕の中に包まれて髪を撫でられた。 夢みたい…。 安心する温かで大きな手にうっとりと目を閉じた。 ずっとこうしていたい。 大好きな先生の腕の中で、先生の体温を感じた。
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