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身体を離し顔にかかった髪を梳くように耳にかけられた。
露わになった顔は、佐伯先生の瞳にどう映っているんだろう…。
恥ずかしくて俯きたいのに、耳元から覆うように頬を押さえられて先生から逸らせなかった。
ちょうどチャイムが鳴り、閉館の時間がやってくる。
「…送るから、待ってろよ。」
「…はい。」
先生はそう言って、名残惜しそうに私から手を離した。
夢のような時間がまだもう少しだけ続くのかと思うと、鼓動が早くなる。
佐伯先生が、私を好き…。
まさか先生と両想いになれるなんて、思いもしてなかった。
キスしてくれなかったら、きっと今も実感できてなかったと思う。
思い出すと胸が熱くなって、ニヤけて止まらない。
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