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「……お前は、恋人でもないヤツとキスできるの?」
「…先生なら…。」
大好きな佐伯先生なら、彼氏じゃなくてもっ…。
そりゃその方が嬉しいけど。
「松谷…お前そういうことを…。」
呆れたように私を見つめ、すぐに前を向いた。
「…言えないような関係、だもんな。…ごめん。」
私にそう言わせたのは自分とでも言うように、先生が謝った。
「そうじゃないです!先生が悪いわけじゃなくて、たとえ彼氏じゃなくても、その…大好きな佐伯先生なら、…キスしたいと思うから。」
「……松谷。手、痛い…。」
はっ…。
熱くなりすぎて、思わず…。
手をパッと離した。
「す、すみませんっ!」
小高い丘の手前にある駐車場に車を停めると、先生はハンドルに両手を乗せて、その上に額を付けると肩を震わせた。
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