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ひとしきり笑った後、ハンドルに身体を預けたまま、顔をこちらに向けた。 先生、…その角度、カッコいい。 夕陽に照らされ、僅かに影を落として、微笑む佐伯先生に目を奪われた。 「あんまり可愛いこと言うなよ。」 ゆっくりと手を伸ばし、私の肩を抱き寄せると、優しく唇を食む。 少し眩しかった夕陽が先生によって影が作られる。 佐伯先生…大好き。 胸の奥がきゅんきゅんし過ぎて、苦しい。 呼吸を乱す私の背中を支えるように、受け止められる。 先生の温もりが伝わってきて、じんわりと熱が上がった。 柔らかい唇が角度を変え、吸い付くようにしっとりと合わされる。 唇が離され、先生の肩口に頬を擦り寄せた。
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