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上靴を取ると、ハラッと落ちる封筒。 「呼び出し、ラブレターどっち?」 興味津々に覗き込む結衣に首を傾げた。 一旦教室に行って席についてから、封筒を開ける。 「……。」 「なに、どっち?ラブレター?それとも呼び出し!?」 矢継ぎ早に聞かれているのに、答えられなかった。 「ちょっと、志歩ってば!」 「えっ…どっちでもない、みたい…。」 「どっちでもないってどういうこと?今どき手紙なんて靴箱に入れる人いるわけないでしょ? メールってもんがあるんだから。」 手紙…とはちょっと違うような気がするんだけど。 だいたい…… 「…なに書いてるのかよくわからない。」 「はあ!?ちょっと見せて。」 いつものように体を壁に寄りかからせて、真横を向いた状態で私の手元を覗き込むから、便箋を一緒に見れるように45度傾けた。
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