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佐伯先生が、あの呼び出した先輩たちをきつく処分してくれたおかげで、呼び出されたりもしなくなったし…。
「詩なのかな?」
「詩って…こんな不気味なやつを?愛を伝えるなら、もっとこう情熱的に書かない?
君は僕の太陽だ!花だ!的なやつ。」
だよね…。
「でも、太陽って古くない?」
「愛が込もってたら、何でもよく聞こえるもんでしょ。」
「金やん、そんなこと言うの?」
ニヤニヤしながら聞くと、結衣は真っ赤になった。
可愛い…。
「そんなわけないでしょ!もっと…ストレートに……」
ゴニョゴニョと恥ずかしそうに言っている。
「…志歩っ、とにかく、い、今はその手紙を考えないと。」
結衣は照れ隠しなのか早口で促しす。
「ふふ…そうだね。」
もう一度二人で便箋に視線を落とした。
うーん…。
「席つけー。」
二人で頭を捻っていると、ガラッと音を立てて、担任の秋山先生が入って来て、朝のHRが始まり、私はその手紙を封筒に仕舞った。
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