16/37

588人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
岸田先輩の足が一歩後ろに退いて、私は彼を見上げた。 今更だけど、背も高いんだ…。 「好きな人とか…いるの?」 「…はい…。」 結衣曰く、不毛な相手ですが。 「付き合ってるの?」 「あ…いえ。」 残念ながら告白すらできそうにないです。 短く答えながら、つい心の中で、口にできない言葉を付け足してしまう。 「そっか…。それじゃ、無理だよね。 …じゃあさ、せめて友達として、付き合ってくれない?」 遠慮がちに言われた申し出に頭を捻ってしまう。 友達? 先輩後輩でそんなの成立するの? 「ダメ、かな?」 「…えーっと…。」 どうしたものだろう…。 告白を断った相手と友達になりたいものなの?
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加