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岸田先輩の足が一歩後ろに退いて、私は彼を見上げた。
今更だけど、背も高いんだ…。
「好きな人とか…いるの?」
「…はい…。」
結衣曰く、不毛な相手ですが。
「付き合ってるの?」
「あ…いえ。」
残念ながら告白すらできそうにないです。
短く答えながら、つい心の中で、口にできない言葉を付け足してしまう。
「そっか…。それじゃ、無理だよね。
…じゃあさ、せめて友達として、付き合ってくれない?」
遠慮がちに言われた申し出に頭を捻ってしまう。
友達?
先輩後輩でそんなの成立するの?
「ダメ、かな?」
「…えーっと…。」
どうしたものだろう…。
告白を断った相手と友達になりたいものなの?
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