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私たちは許されない恋をしているってこと。 「…佐伯先生…。」 「松谷は何も心配しなくていい。 ただ黙って、俺に守られてればいいんだから。」 幸せな言葉をもらったのに、不安で仕方ない。 先生はきっと、覚悟を決めてる。 もしも私たちの関係が知られてしまったら、その時は…… 「先生…そんな覚悟はできてるみたいな言い方、しないで…。 私も、他の生徒も、佐伯先生が大好きなんです。卒業するときは、先生におめでとうって言ってもらって、見送られたい。 だからっ…んっ……」 塞がれた唇。 もっとたくさん伝えなきゃいけないことがあるのに…。 押さえ付けられた身体と、切ない口付けに何も言えなくなる。 佐伯先生…。 私のために、教師を辞めようなんて思わないで…。 先生の夢を取り上げたくない。 みんなに慕われてる先生を見てたら、どれだけ先生が生徒のことを考えているかなんて、痛いくらいわかるんだから…。 そんな先生の夢を奪うなんてできないよ…。
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