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††
「……やっぱ佐伯先生だよねぇ…。よくそこまで考え付くわ。
ドSなだけじゃなかったんだ。」
感心したように話す結衣に、何も言えなくなった。
「それだけ相手の心理状態を予想できるんだから、数学じゃなくいっそ国語の教師にでもなればよかったのにね。
あ、でも無理か。
女心をわかってないもんね。」
「…女心?」
「志歩がこんなに大好きオーラ放ってるのに、全然気付かないんだからやっぱり数学でいいんじゃないの?」
「……。」
まだ、結衣には佐伯先生とのことを打ち明けていない。
本当は一番に言いたかったけど、どうしても先生の立場や、生徒である自分の立場を考えると言えずにいた。
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