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あれから何事もなく金曜日になった。 先週、今週と週に1回しか送られてきていなかったわけだし、次は来週かもしれない。 「松谷、どうしたぼんやりして。」 向かい側から歩いてきた真柴先生が、心配そうに顔を覗き込むように傾けた。 「あ、こんにちは。」 「なんだ?恋の悩みか?」 「…いえ…。」 茶化す先生に、ノートをキュッと抱き締めた。 「お、これから委員か?」 「はい。」 今日は月に1度の図書委員会の日で、今まさに向かってる途中だったのだ。 「あ、そうだ。お前さ、陸上部の件も前向きに考えてくれよ?俺はかなり本気だぞ。」 「……。」 なかなか手強いな…。
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