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「──…ということで、図書館の利用者を増やすために、何かありませんか?」
「……。」
利用者を増やすために…か。
何の意見も出ないせいか、適当に委員長が当て始めた。
「…では、…2-A、松谷さん何かありませんか?」
えっ…私?
佐伯先生もいるし、ありませんとは言いたくない。
考えろ、私…。
「……朗読…。」
「え?」
「昼休みに、本のあらすじを朗読するのはどうでしょう?
映画公開の作品紹介みたいに、続きが知りたくなるような締め方で…。」
「なるほど…。佐伯先生。」
委員長が先生に確認するように視線を送ると、口元に笑みを乗せ頷いた。
「では来月から、昼休みに放送で朗読します。
当番制にしますから、あらすじと気になるようなセリフ、とにかく続きが知りたいと思えるような内容を考えてください。」
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